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代表者保証をしない資金繰り


こんにちは、静岡市葵区の弁護士の浅野智裕です。

今回は会社の資金借り入れで代表者保証をしないという話をしたいと思います。

これまでの会社経営では、金融機関からお金を借り入れる場合、代表者が連帯保証をすることが通常だったと思います。
代表者保証をするということは会社が行き詰ってしまえば、個人資産をもって借入金を返済しなければならないということになります。つまり会社が行き詰ってしまえば代表者個人の資産も失ってしまうということになります。
そいうことからも会社経営は非常にリスクのあることでした。

しかし、昨今ではそのようなリスクから企業や会社経営を敬遠されることが経済に良くないという観点や個人の資産をすべて失うのはあまりにかわいそうといったことから代表者保証をしない(求めない)という意見があります。

こういった流れのなかから「経営者保証ガイドライン」というものが策定されました。

参考URL
http://hosyo.smrj.go.jp/
https://www.zenginkyo.or.jp/adr/sme/guideline/

経営者保証に関するガイドラインとは中小企業庁と金融庁の後押しで、日本商工会議所と一般社団法人全国銀行協会が事務局となり、経営者保証を提供せず融資を受ける際や保証債務の整理の際の「中小企業・経営者・金融機関共通の自主的なルール」として策定・公表されたガイドラインです。(上記サイトより引用)

このガイドラインは、資金の借り入れ時に代表者保証をしないことや保証債務履行時に一定程度の資産を残すことなどを定めています。

したがって、いま問題なく経営が順調にいっている会社の場合に連帯保証をしない借り入れにするという可能性があります。順調なうちに連帯保証をしない借り入れにしておけば今後の不安はなくなりますし、万一のときに安心です。

むしろ順調な会社ほど体力がありますから金融機関との交渉の可能性があると思います。資金繰りが厳しくなってからでは会社側で打てる手も少なくなっていますが、体力がある会社では打てる手が多く、代表者保証を抜ける可能性が高くなります。金融機関側も無条件で代表者保証を抜くことはできないでしょうから会社側にもそれなりの対応が必要とされます。

また金融機関との交渉でも弁護士、税理士などの専門家が会社側で支援することが期待されています。

個人的な意見ですが、代表者保証がないほうが起業や会社経営などに積極的に参加する人が多くなって経済に元気になっていくと思います。より良い起業や会社経営状況になれば良いと願っています。