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「失敗の本質」を読んで


こんにちは、静岡市葵区の弁護士浅野智裕です。

2月から3月にかけて非常に仕事が立て込んでいて、ブログの更新がおろそかになってしまいました。

またこれからペースを上げていきたいと思います。

 

今回は読書の話です。読んだ本は「失敗の本質」です。

出版自体は,1984年と結構昔からある本ですが、ビジネス本としてヒットして今でも読まれている本です。

 

この本のテーマは「大東亜戦争史上の失敗に示された日本軍の組織特性を探求する」というものになっていて、この組織特性が今の社会や企業にも当てはまるもので多くのビジネスマンに読まれてきました。

この本では日本軍の特性として、色々な面が書かれていますが,日本軍は言ってしまえば日本人の集まりであって、日本人集団の特性と言えると思います。そして、今もあまり変わっていない我々日本人が集団となったときの特性と言えると思います。

こうしてみると、戦後70年以上も経っていますが、変わっていない部分も多くあると思います。日本人の特性には良い面ももちろんあって、全て否定すべきものではないと思います。良い面と悪い面の両方を認識したうえで、良い面を生かしながら悪い面をカバーする、それが理想なのだろうと思います。もちろん言うは易しですが。

考えてみると、日本人全体の特性というのは、昔からの慣習や気質、風土から来るものでそう簡単に変わるものではなく、これからもあまり変わることはないのだろうと思います。そうすると、この特性の悪い面というのは、日本人全体で変わるものではなく、変える必要もなく、ある程度コントロールすべきものと思います。悪い面を認識したうえで、それをコントロールして、なるべく大きな被害を小さくすることなんだろうと思います。そうしてみると、組織、企業のリーダーには、一般的な日本人とは全く違う特性が必要になってくると思います。

例えば、本書でよく書かれているのが、日本人は戦術面では強く、戦略面では弱い、また、日本人は人情に流されやすく、意見衝突があると曖昧な決定をしてしまいがちとなっています。

そうすると、リーダーに必要とされるのは皆をまとめる力とともに、戦略と強いリーダーシップが必要になってきます。リーダーとなる者は一般的な日本人的な良さとは違う面を意識しなければならないのだと思います。それは帝王学というような特別な教育というわけではなく、日本人集団の特性の弱さをカバーする必要があるためです。

ということを考えていると、本書がビジネスマンの間で読まれている理由がよくわかりました。