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イシューからはじめよ ― 知的生産の「シンプルな本質」


こんにちは,静岡市葵区の弁護士浅野智裕です。

今回は読書の話です。

今回読んだのは安宅和人さんのイシューからはじめよ ― 知的生産の「シンプルな本質」です。

本書の始まりは,「イシュー」という言葉から始まります。「イシュー」という言葉は日常や普段の仕事ではあまり聞きなれない言葉だと思います。

本書では,「イシュー」とは「2つ以上の集団の間で決着のついていない課題」「根本に関わる,もしくは白黒がはっきりしていない問題」と定義されています。

もう一つに「解の質」という言葉があり,これは「イシューに対してどこまで明確に答えを出せているかの度合い」と定義されています。

本書の大切なところは,題名のとおり「イシュー」から始めるということです。私は世の中にある多くの課題のなかから根本的でかつ解決可能なイシューを選べということだと理解しました。

私の経験からでも,身の回りにはたくさんの課題があります。仕事のことから家族のこと,日常生活のことなど,多くの課題があって,やりきれない,と思うことがあります。そんなときに,目の前にある課題を片っ端から片付けていくという方法もあると思います。しかし,課題は非常に多くあり,また時間の経過でどんどん課題は増えていきます。現実的に全ての課題を解決していくのは無理だと思います.

そこで,本書で薦められているのは適切な「イシュー」を設定するということです。根本的な問題であることや解決が可能であることも必要とされています。

少し前に読んだエッセンシャル思考と似ている部分があると思います。エッセンシャル思考は,全てのことをすることはできないので,より少ないことに集中せよという話でした。本書でも全ての課題を解決することはないということを薦めていると思います。

今の世の中で言われている生産性とか時間効率というのは,こういった些末な問題や解決不能な問題に時間を割くのではなく,重要かつ解決可能な問題に集中することが必要なのではないかと思います。今の世の中では,色々と報告書であったり,無駄とまでは言わないまでもあまり効果のないものに時間を割いていることがあると思います。日本人は生真面目といいましょうか。

私自身に振り返って,自分の仕事ぶりや生活のなかでも,あまり意味のないことに時間を割かずに大切なことに集中したいと思います。