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民事裁判IT化


こんにちは、静岡市葵区の弁護士浅野智裕です。

今回は民事裁判IT化のお話です。

記事によると、裁判所は民事裁判のIT化を進め、書面のオンライン提出などを検討しているようです。

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190831-00000024-jij-soci

https://www.jiji.com/jc/article?k=2019051600945&g=soc

https://www.sankei.com/premium/news/180510/prm1805100003-n1.html

https://www.kantei.go.jp/jp/singi/keizaisaisei/saiban/dai9/siryou2.pdf#page=2

記事にもありますが、今の裁判では、書面の提出は紙での提出かFAXになります。また、裁判には基本的には裁判所に行って行うことになります。

これを、今後、オンラインで書面を提出して、裁判もWEB会議などで行うようになっていくようです。

私は、この方向には基本的に賛成です。

書面を出す場合には裁判所の分だけでなく、自分の手元控えの分、相手の分も必要になります。裁判では多くの書面のやり取りをする必要があるので、結構な負担となってきます。

また裁判のたびに基本的には裁判所に行く必要があるのですが、事務所の所在地に寄りますが、私の事務所から裁判所までは20分程度見ておく必要があります。往復ですと40分程度です。これを裁判の度にしていると結構な時間をとられることになります。私でも多いときで13回裁判があることもあります。その都度往復していれば120分という計算になります。これがWeb会議をすることができれば120分を効率化することができます。

法律事務所は多くの場合、裁判所の近くにあります。これは裁判所に行く時間を考慮しての立地が多いと思われます。裁判所から離れればその分、移動時間が多くかかり、他の業務時間が減ってしまいます。いわゆる過疎地や裁判所がない市町の依頼者の方は多くは裁判所近くの法律事務所の弁護士に依頼をすることが多いと思います。

しかし、IT化が進んで、Web会議ができるようになれば移動時間がかからない、または減らすことができます。そうすると、裁判所から離れた場所の法律事務所が増えると思います。これまで法律事務所のなかった場所にも法律事務所が増えてくるかもしれません。

もちろん、裁判所に出廷する必要が全くなくなるわけではなく、必要に応じて出廷する必要はあります。しかし、回数を減らすことはできると思います。

民事裁判のIT化は、まだまだ具体的なものは見えてきませんが、今後の動向には注目しています。