労働問題


解雇された場合

勤務先から突然解雇された場合,納得がいかない場合,まずはご相談ください。解雇の法的有効性について,検討をします。解雇に法的な効力が認められないと考える場合には,法的な手続きで解雇の効力を争うことができます。解雇の効力を争った結果,復職や金銭的解決による退職などになることがあります。

具体例

勤務先から突然,解雇を言い渡された。解雇に納得がいかなかったため,弁護士に依頼をして,労働審判を申し立てた。労働審判の中で,解決金150万円を支払ってもらうことで,解雇ではなく,合意による退職となった。

残業代請求

残業代がしっかり支払われていないと思った場合,まずはご相談ください。残業代の不払いといえるかどうか,残業時間の証拠があるかどうかなどを検討します。
残業代不払いに理由がなく,証拠があると判断した場合には,法的な手続きで残業代を請求することができます。

具体例

以前から勤務先が残業時間をしっかりつけず,残業代を支払っていなかった。自分のスマホでメモをしていた。それを証拠に労働審判を申し立て,争った結果,残業代を支払ってもらう内容で和解成立となり,残業代を支払ってもらった。

セクハラ,パワハラ

勤務先で上司からセクハラまたはパワハラを受けた。そのような場合,まずはご相談ください。違法性があるかどうか,また証拠があるかどうかなどを検討します。そして,違法なもので証拠がある場合には,法的な手続きで慰謝料を請求することができます。

具体例

職場の上司から仕事の成績が悪いということで,2時間くらい怒鳴られ,そのなかで「バカ」「死んだほうがいい」「ただ飯食らい」などと暴言を吐かれた。そこで上司と会社を相手に裁判を起こし,解決金100万円を支払ってもらうことで和解で解決した。

退職代行(退職の代理交渉)

勤勤務先を退職したいと申し出たのに,なかなか退職をさせてもらえない場合,まずはご相談ください。労働者から退職を申し出ることは法律上認められており,退職できないということは原則的に考えられません。弁護士が代理人となって退職の交渉をすることができます。通常の退職代行は,弁護士法との関係で使者として労働者の意思を代わって伝えるだけで代理人として窓口となることはできません。したがって,退職の意向を伝える以外は会社とのやり取りは労働者が行う必要があります。弁護士の場合,労働者の代理人となることができるため,交渉窓口となり,会社とのやり取りの全てを弁護士が行うことができます。

具体例

退職を申し出たのに上司に受け入れてもらえなかった。上司からは,もう少し待ってくれないか,話し合おう,と言われた。再度,退職したい意向を伝えたが,やはり待ってくれと言われ,そんな調子で1か月経過していて,退職できる見込みができていない。そこで弁護士に依頼をして,弁護士から退職の申し出を内容証明郵便で送ることで退職することができた。

 労働問題 Q&A

裁判所を通じた手続きとして、民事訴訟、労働審判、仮処分、仮差押え、雇用関係によって生じた債権についての一般先取特権の実行、民事調停、支払督促があります。

行政機関を利用した手続きとして、都道府県労働局あっせん、労働委員会のあっせんなどがあります。

その他、任意交渉やユニオン加入による団体交渉という方法もあります。

裁判所に対し、判決による紛争の解決を求める手続きです。
140万円を超える場合は地方裁判所に、140万円以下の場合は簡易裁判所に訴訟を提起することになります。

訴訟を提起すると、1ヶ月~2ヶ月に1度、期日が設定され、複雑な争点がなければ平均的には判決に至るまで1年程度要します。

労働紛争に特有の手続きで、労働審判委員会(裁判官1名と労働審判員2名)が事件を審理し、調停による解決を試み、解決に至らない場合には労働審判を行う手続きです。
裁判官のほかに労使の出身者の有識者である労働審判員2名が審理に関わる点、原則3回以内の期日で事件を審理させる迅速な手続きである点、調停による解決を試み、解決に至らない場合には権利関係を踏まえつつ事案の実情に即した解決を図るために相当な労働審判を言い渡せる柔軟性にその特徴があります。

形式的には、個別的労働関係の民事紛争に限られます。
たとえば、セクハラ・パワハラ事件などで個人のみを対象として労働審判の申立てをすることはできません(利害関係人として参加を求めることはできます)。
また、迅速性が求められるため、複雑な事件、複数当事者による事件については、事実上難しいです。事案の性質に照らし、労働審判手続きを行うことが適当でないと判断された場合、終了させられることもあります。

また、現在、静岡県内で利用できる裁判所は、静岡地裁本庁及び静岡地裁浜松支部に限られています。

通常、法廷を使用せず、関係者がラウンドテーブルを囲む形で審理が行われます。
訴訟と異なり、第1回期日においても、申立人・相手方双方に実質的な審理が行われるため、双方とも十分な事前の準備が必要です。

140万円以下の民事訴訟、民事調停、少額訴訟、支払督促等があります。
申立て側にとって、労働審判を利用することにメリットがある場合が多いため、簡易裁判所の手続きはあまり利用されません。

職場で行われる、労働者の意に反する性的な言動をいいます。
当該言動に対する労働者の対応により労働者がその労働条件につき不利益を受けるもの(対価型セクハラ)と当該言動により労働者の就業環境が害されるもの(環境型セクハラ)があります。

同姓に対するものやLGBTら性的少数者に対するものも当然に含まれます。

セクハラの加害者・被害者とも、何がセクハラに該当するかについて認識していない場合が多いため、注意が必要です。

同じ職場で働く者に対して、職務上の地位や人間関係などの職場内の優位性を背景に、業務の適正な範囲を超えて、精神的・身体的苦痛を与える又は職場環境を悪化させる行為をいいます。
典型例としては、①暴行・傷害、②脅迫・名誉毀損・侮辱・ひどい暴言、③隔離・仲間外し・無視、④職務上明らかに不要なことなどの強制、仕事の妨害、⑤能力や経験とかけ離れた程度の低い仕事を与えることや仕事を与えないこと、⑥私的なことに過度に立ち入ることなどがあります。

就業環境を害する太陽の妊娠・出産、育児休業等に関する言動をいいます。
制度等の利用への嫌がらせ型、状態への嫌がらせ型に分類することができます。
2016年、厚労省は、マタハラ防止指針を定めました。
妊娠・出産等に関するハラスメントの防止措置の内容について【PDF:264KB】

加害者本人に対しては、不法行為に基づく慰謝料等の請求がなされることがあります。
使用者に対しても、不法行為責任、債務不履行責任問うに基づいて損害賠償請求を求められることがあります。

録音テープやスマートフォンの記録、被害者の日記・メモ、第三者の証言等が考えられますが、密室で行われることも多いため、加害者・被害者の供述のいずれが信用性が高いかという信用性の優劣で判断されることもあります。

割増賃金の請求については、労働者側が労働時間を証明する必要があります。

信用性の高い証拠は、タイムカードです。
純粋なタイムカード打刻時間だけでなく、社会通念に照らし「使用者の指揮命令下」に置かれたものと評価できる観点から判断されます。
ICカードは、会社構内にいた時間を記録するものですので、その態様によっては必ずしも「使用者の指揮命令下」におかれたとは解されないこともある点は注意が必要です。

タイムカードが存在しなかったり、入手できない場合は、シフト表、出退勤表、PCのログイン記録、POS機能のあるレジスタの起動時間と停止時間の記録、日報、手帳、スマートフォンの通信記録等様々な方法により労働時間を証明する必要があります。

現行法上、割増賃金請求は、2年で消滅時効にかかります。
原則として、2年以上前の割増賃金については請求できなくなる点に注意が必要です。
なお、2020年4月1日の民法改正において、債権の消滅時効が5年に統一されることから、労働債権についても期間の見直しが検討されています。