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ドルチェ&ガッバーナの中国での炎上事件


こんにちは、静岡市の弁護士浅野智裕です。

今回は、ドルチェ&ガッバーナでの中国での炎上事件の話をしたいと思います。

炎上というと、ネット上での炎上のことです。

ニュースなどによりますと発端は、ドルチェ&ガッバーナの広告動画が、中国人を侮辱したようなものだったようで批判が上がったようです。この広告動画は、女性が箸を使ってピザを食べるというもので広告内のコメントがどうも馬鹿にしたようなものだったようです。

その後、デザイナーがインスタグラムで中国人を侮辱して、そのやり取りが公開されて、大きな批判そして炎上につながったようです。

その結果、ドルチェ&ガッバーナの予定されていたイベントに出演予定だった有名俳優がイベントをボイコット、その後、次々に中国のタレントがボイコットし、イベントは中止になったようです。

そして、これにとどまらず、ドルチェ&ガッバーナの商品に不買運動が起きると同時に店頭からも消えていったようです。

いま、中国は大きな市場ですから、ドルチェ&ガッバーナには大きな痛手となると思います。

ニュース元はこちら

https://www.asahi.com/articles/ASLCQ3WJXLCQUHBI00D.html

https://www.wwdjapan.com/745828

 

ここで注意しなければならないのが従業員のSNS利用です。

従業員のSNS利用によるトラブルも色々な種類がありますが、ドルチェ&ガッバーナのニュースは従業員が不適切な書き込みをして、会社のブランド価値を損なうというものです。

ドルチェ&ガッバーナほどの会社が従業員に対してSNS利用に関する研修をしていないとは考えられませんが、効果のほどはなかったようです。

SNSで他人を誹謗中傷するようなことは、従業員に限らず決してしてはならないことです。特にSNSでは容易に情報が拡散してしまいます。ドルチェ&ガッバーナのデザイナーがSNSで中国人を誹謗中傷したことで、中国におけるドルチェ&ガッバーナのブランド価値は大きく損なわれてしまいました。

会社から見てみれば、従業員のSNS利用も1つのリスクと言えます。もちろん、従業員にもSNS利用の自由はあるはずであり、一方的に禁止することはできないと思います。

そこで、会社としてみれば、従業員に対してSNSを利用するうえでの危険性、禁止事項などをしっかり研修すべきといえます。

今回のドルチェ&ガッバーナはこういったことを怠ったと言えると思います。

また、従業員がSNSを利用するに際してのルールを作成することはできると思います。上記誹謗中傷以外の不適切な投稿の禁止や情報漏えいの防衛手段を講じることができると思います。誹謗中傷以外の不適切な投稿といえば、日本でも一時期騒がれたものです。コンビニのアイスクリームケースに入った写真やおでんをつんつんする動画、従業員がピザ生地を顔に張り付ける写真などが炎上しました。

情報漏えいは、有名人の情報を投稿するなどあります。

これらを防衛するための色々なルールを作ることはできると思います。

また、従業員のSNS利用の監視ができるかは、微妙なところがあります。まず、従業員のSNSの私的な利用に関して、業務命令でSNS利用を報告させることまではできないと思います。

そうすると、会社としては、従業員がブログやSNSを利用しているかどうかは、会社名、従業員名で検索をして、把握をするしかありませんし、匿名の場合のは捕捉するのは難しいと思います。

そうしてみると、有効な手段としては、従業員教育とルール作り、そして、ルールに違反した場合にはしっかりと指導する、悪質な場合には懲戒処分を行うことになってくると思います。

従業員のSNS利用は、ITの発達による新たなリスクと言えますので、適切な予防手段を講じておくべきと考えます。