交通事故


損害賠償額が妥当かどうか。

治療終了後や後遺症認定後に保険会社の提示する金額で示談しても良いかどうかわからない場合、ご相談いただければ、提示金額が妥当なものかどうかアドバイスをすることができます。
また、弁護士が代理人となって賠償交渉をすることで賠償額が増額になることがあります。

具体例

治療終了後、後遺症14級の認定が出て、保険会社から90万円の示談案を提示された。弁護士に相談して、保険会社と交渉してもらったところ、170万円まで増額した。早めの解決を希望していたので、この内容で示談して、早期に支払ってもらった。

後遺障害の申請

保険会社から示談案を示されても、損害額が妥当なものかわからないときに、弁護士に相談することで、後遺症の可能性があるかどうかもアドバイスを得ることができます。弁護士に後遺症の可能性を見てもらい、後遺症が認められそうなときに、主治医に後遺障害診断書を作成してもらい、後遺症の申請をすれば、後遺障害等級が認められることがあります。後遺障害等級が認められた場合、それまでの示談案に後遺症の損害もさらに加算されることになります。

具体例

依頼者は女性であるが、治療終了後、保険会社から110万円の示談案を提示されていた。妥当な金額かわからなかったので、弁護士に相談したところ、醜状痕があったが、後遺症の申請がされていなかったことから、主治医に後遺障害診断書を作成してもらい、後遺症の申請をしたところ、自賠責では後遺症14級が認められた。その後、14級を前提に弁護士が代理人となって交渉したが、交渉では妥当な金額での提示がなかったことから、訴訟を提起し、裁判で500万円の和解をして、保険会社から支払ってもらった。

後遺症の認定に納得のいかない場合

後遺症の認定に納得がいかない場合でも異議申し立てができます。弁護士に相談して、異議申立が認められそうかどうかアドバイスを得ることができます。また異議申立の資料を弁護士に作ってもらったり、手続きを代わって行ってもらうことができます。

具体例

交通事故に遭い、むち打ち症になって、首に痛みが残ったため、後遺症の申請をしたが、非該当で、保険会社から示された示談案は50万円だった。しかし、納得がいかなかったので、弁護士に相談をしたところ、事情を聴取した書面を作成してもらい、後遺症の異議申し立てをしてもらった。そうしたところ、14級の認定が出た。そして、弁護士に代理人になってもらって、14級を前提に、170万円で示談をしてもらった。

保険会社の担当者とのやり取りが不安な場合

交通事故で治療中に相手保険会社の担当者とやり取りをする必要があります。そのときに、いろいろな書類を書いてほしいと言われることが多いですが、どのようなことになるのかわからず、不安になってしまうことがあります。あるいは不信感を感じることもあります。そういった場合に、弁護士が間に介入することで、保険会社の意図やその対応について、適切にしてもらうことができます。

具体例

交通事故で重傷を負ったが、保険会社から何度も同意書を書いてほしいと言われ、書いたらどのようになるのか、聞いてもよくわからなかった。また、治療状況や治り具合を何度もしつこく聞かれて、電話に出るのが嫌になってきた。そういう場合に弁護士に代理人になって、交渉してもらうことで、書類にどのような意味があって、対応したほうがいいのかどうかをアドバイスを受けることができた。必要な同意書などは書いたほうがスムーズに運ぶとアドバイスを受け、必要なものは納得してサインできた。また、治療途中の場合に今後の展望などを説明してもらい、不安が解消した。

自賠責の被害者請求

加害者が任意保険に加入していない場合または保険会社が治療費を支払ってくれない場合、被害者から自賠責保険に被害者請求をすることができます。もっとも、被害者請求には、多数の書類が必要なため、内容が難しくて理解できない方や仕事で忙しい方では、手続を行うことが困難なことがあります。
その場合、弁護士が代理人となって、被害者請求の代理手続ができます。弁護士が代理手続を行うことで書類の収集や保険金のスムーズな受け取りが可能になります。

具体例

相手が無保険だったため、自分で自賠責の手続きをしようとしたが、請求書の記載の意味がわからず、どれを出せばいいのかわからなかった。そこで、弁護士に依頼して、請求書を代わりに書いてもらい、必要な用紙をもらって、病院や会社に提出して、書いてもらい、弁護士のほうから被害者請求をしてもらった。

弁護士費用特約

弁護士に依頼する費用に不安がある場合でも、自動車保険に弁護士費用特約をつけてあれば、弁護士の費用を保険会社から支払ってもらうことができます。多くの場合これで、弁護士費用の自己負担がなくなります。

具体例

当事務所であれば、上記の具体例のいずれの場合でも、弁護士費用特約があれば全額弁護士費用を保険会社から支払ってもらい、自己負担はありません。

なお、当事務所では、相手方保険会社によっては受任できないことがあります。
まずは、ご相談ください。

 交通事故 Q&A

法律相談をご利用いただければ、損害提示の内容をご説明いたします。

示談前の治療費の支払いは、保険会社の任意の判断であり、強制することはできません。被害者は、保険会社に治療費を支払ってもらえなくなるので、自費で通院する必要があります。治療終了時期(治癒または症状固定時期)を争う場合、自費で支払った治療費を後から争うことになります。争った場合のメリットデメリットを把握したうえでご判断いただくことが重要です。

症状固定とは、治療をしても大きな改善が見込めない、または一進一退を繰り返す状態になったときのことをいいます。症状固定になると、基本的には症状固定後の治療費は支払われません。また、通常、症状固定となった場合、後遺障害の判断に移っていきます。

症状固定後の治療費は、原則として賠償されません。例外的に、症状固定後の治療が必要でかつ相当なものである場合には賠償されると考えられています。ただし、この例外的な場合というのは、一般的に考えられるよりも狭く判断されています。

入院付添費、通院付添費と言われる損害があります。賠償が認められるのは、医師から付き添いの指示があった場合、被害者が幼児である場合など、必要性のある場合に限られます。

被害者が、交通事故による傷害・後遺障害によって、従前の自宅では生活できない場合に、家屋の改造費用が損害として認められる場合があります。被害者の傷害、後遺障害の具体的な内容、症状、自宅の状況、改造の内容、費用などから、個別具体的に必要性、相当性により判断されます。

休業損害とは事故が原因で得られるはずだった収入が得られなくなることによる損害をいいます。典型的な例では、事故後1か月間、入院して給料が支払われなかったときなどです。ほかにも通院治療のため、会社を休んだときや有給休暇を取得したときに認められることが多いです。しかし、仕事を休んだときに常に休業損害が認められるわけではないので注意が必要です。

後遺障害等級認定に納得がいかない場合、異議申立手続きがあります。認定が覆る例は多くありませんが、ときには覆ることがあります。納得いかない場合には異議申立の手続きをとったほうが良いです。

傷害慰謝料とは、傷害を負ったことなど精神的苦痛を受けたことによる賠償金ですが、実務での算定は、機械的なものが多いです。自賠責基準では、通院期間における日数×4300円、または実通院日数×8600円のいずれか少ない方です。保険会社の任意基準は保険会社による任意の基準で、保険会社によって異なります。裁判基準は、基本的には、入院日数、通院期間で算定し、実通院日数、傷害の程度などで修正します。

後遺障害逸失利益とは、後遺障害が残ったことで、労働能力が低下して、将来得ることができたはずだったのに得ることができなくなった利益を言います。交通事故では、後遺障害が残った場合には、後遺障害逸失利益が損害として認められることがあります。
通常の計算式は以下のとおりです。
基礎収入×労働能力喪失率×労働能力喪失期間に対応するライプニッツ係数
ライプニッツ係数とは、後遺障害逸失利益が将来の損失を賠償することから、中間利息を控除した現在価値にするために数値です。
もっとも、個々のケースでは、色々なバリエーションがあり、また、実際の減収の有無も問題になることがあるため、常に通常の計算式で算定されるものではありません。実際の事案を検討しながら、損害の算定をしていくことが重要だと思います。

後遺障害慰謝料とは、後遺障害が残ったことによる精神的苦痛に対する賠償です。通常の事案では、自賠責で後遺障害等級が認定され、等級ごとに定型の慰謝料となることが多いです。もっとも、事案によって、賠償額が増額または減少することもあります。

交通事故により、被害者が死亡した場合、死亡したことによる慰謝料が認められます。被害者の家族関係、家族内での地位によっておおよその目安があります。
目安
・被害者が一家の支柱である場合 2800万円
・母親、配偶者である場合 2500万円
・その他 2000万円〜2500万円
ただし、上記金額内の固定ではなく、実際の事案によって変動する可能性があります。

現在の交通事故実務では、過失割合は事故形態により類型化されており、基本となる過失割合が適用されることが多いです。保険会社と争う場合、過失割合がどの類型に当てはまり、どのように争うか検討することが重要だと思います。その上で、交渉または訴訟で争うかを考えることになります。

訴訟提起から判決まで通常であれば1年程度かかります。訴訟の途中で和解が成立すれば、もう少し早く終わる可能性があります。また、訴訟の争点が、医学的な問題になったり、損害の内容が複雑になり、対立も激しくなれば、より長期間かかる可能性もあり、2年近くや長ければ3年近くかかるケースもあります。