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蜜蜂と遠雷


こんにちは,静岡市葵区の弁護士浅野智裕です。

今回は読書の話です。

今回読んだのは恩田陸氏の蜜蜂と遠雷です。

題名だけでは本の内容はさっぱりわかりませんが,本作はピアノコンクールの話です。4人の天才ピアニストがコンクールで競い合うというものです。

この小説に出てくる芳ヶ江市ですが,浜松市をイメージしているのではないか,と思って読んでいました。東京から新幹線で行く街で,そこまで遠距離でもない,駅とホールが直結,ホールとホテルの複合施設になっている,というのから,浜松市のアクトシティが思い浮かびました。

浜松市だと,ピアノや楽器製造のYAMAHAがあります。大きなピアノコンクールがあっても不思議じゃないなと思ってました。

そうして,巻末の解説を読んでみると,作者は浜松国際ピアノコンクールを取材して本作を書いたとのことで,やはり浜松市が題材でした。浜松市と思って読んでみる親近感がわいてうれしいですね。

本の中身と関係ない話ばかりですが,内容もとても素晴らしかったです。解説を読んでいると本書がかなりの難産だった様子がわかります。おそらく執筆に何度も推敲を重ねていたんだと思います。そうしてできた本作の完成度というか,隙のなさは申し分ありません。私があまり下手な言葉で語るよりも実際に読んでみていただいたほうがその素晴らしさがわかると思いますので,ご興味のある方は読んでみていただきたいと思います。早々に文庫にもなってお手軽に読めるようになっています。直木賞と本屋大賞のW受賞は流石だなあと思いました。