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送り付け商法に関する法改正


こんにちは、静岡市葵区の弁護士浅野智裕です。

今回はいわゆる送り付け商法といわれるものに関する法改正の説明をします。

送り付け商法は、売買契約の申し込みや売買契約締結をしていない者に対して、売買契約の申込みと同時に商品を送り付けることを言います。

民法の原則からいえば、送り付けられたものであっても、未だ契約が締結されていなければ、所有権は送り付けた業者にあり、勝手に処分することはできません。また、業者は、送り付けた商品の返還請求をすることができます。

しかし、消費者はそんなことを知らずに、送り付けられた商品(食品が多いです)を消費してしまい、契約を締結したあるいは勝手に消費したと言われ、代金請求あるいは損害賠償請求をされて、しぶしぶ代金を支払うという被害に遭うというのが送り付け商法です。

これが、改正前の特定商取引法59条では、商品の送付があった日から14日以内に送り付けられた人が契約を承諾せず、かつ、業者が引き取りをしない場合には、業者は以後、商品の返還請求をすることができないと規定されていました。

つまり、特定商取引法でも消費者保護の規定はあったのですが、処分するまで14日は待つ必要がありました。

今回の改正では、より保護を厚くして、送付があった時点から業者は返還請求をすることができなくなりました。消費者は、送り付けられた商品を即座に処分することができるようになりました。

こういった改正によって、消費者被害をより減らそうという取り組みになります。
この改正は令和3年7月6日になります。つまり、すでに施行されています。

なお、施行が上記のため7月5日以前に送り付けられた場合には改正前のため14日間は待つ必要があるので注意が必要です。