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家事調停のウェブ会議の試行


こんにちは、静岡市葵区の弁護士浅野智裕です。

今回は、家庭裁判所の家事調停のウェブ会議の試行について、紹介します。

家事調停は、離婚調停や遺産分割調停などの家族、親族間の紛争を取り扱っています。

家事調停は、これまで裁判所に出席して、行っていたほか、遠隔地の場合には電話などを利用して行われていました。

今回は、家事調停をウェブ会議で行うことを試行するというものです。
ニュースでは、DV事案を想定しているようですが、DV事案の場合は身体の安全、心理的な負担の軽減を目的にしたものといえます。しかし、記事には、移動や交通費の負担軽減などの利便性向上を図る目的とも書いてあります。
上記に書いた通り、これまで当事者が遠隔地の場合には、電話の利用が行われています。移動や交通費の負担軽減などの利便性向上を図る目的ということであれば、遠隔地だけでなく、裁判所までそれほど遠くない場合にもウェブ会議の利用を考えているのかもしれません。

今後、どこまでの事案でウェブ会議が利用されるか、その様子を見ていくことでわかると思います。

なお、地方裁判所では、双方に弁護士がついている事案では、ウェブ会議の利用が広がっています。地方裁判所でのウェブ会議は、遠隔地に限らず、裁判所の近隣の法律事務所でも利用する場合があります。
家庭裁判所の家事調停でも同じようにウェブ会議を利用するのであれば、遠隔地に限らず、広く利用されることになるかもしれません。
いずれにしても今後の利用状況を見ていくことになると思います。

参照したニュース記事は以下のもの
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20211203/k10013372031000.html
https://news.yahoo.co.jp/articles/adbb314a80944478d958b8ffc7f92a54350f7843