静岡の弁護士の若狹です。
ありがたいことに自分としては珍しく先月から研修講師のご依頼が立て続いておりまして、10月~11月にかけて、沼津・静岡・浜松と県内3箇所で、主に福祉施設の施設責任者・苦情対応担当者の方に向けて「苦情解決能力の向上と人権意識」というテーマで裁判例や適切な記録の保存方法などの具体例を絡めつつ講義をしてきました。参加者は3箇所でのべ100人くらいだったでしょうか。
「苦情解決のための研修」というのは、油断すると、つい、接遇のテクニカルな話になったり真面目な理想論ばっかりになったりしがちですが、私に求められる役割は違うと考えましたので、できる限り法律家から見た実践的な講習を心がけたつもりです。自分も研修を受ける側の立場として、「あくまで私見ですけど~」「いち弁護士から見ても正直これは~」みたいな正直ベースの言及がない守りの研修は受けがいがないですものね。
一方、こういうオフィシャルな場でちょっとしたくすぐりを(伝わらないことは承知の上で)ぶっこみたくなるのが我ながら悪い癖でして、時系列的に初回の研修時には間に合いませんでしたが、2回目・3回目の講習の際には、「人権意識」の解説に際してはRHYMESTER宇多丸氏の「そもそも人権の尊重に『線引き』などあってはならないはずです 」というメッセージを長めに引用させていただきました。ただでさえ研修の予定時間をオーバーしているのに(受講者の皆さま、すみません!)。
メッセージ全文はこちら↓↓
https://natalie.mu/music/news/644717
一部では有名な話ですが、宇多丸氏のお父様(石川信義氏)が精神障害者のノーマライゼーションの先駆けの精神科医でいらっしゃったということで、実は文脈的にも講義内容とめちゃくちゃ関係のある伏線を張った引用をしたつもりなのですが、時間が押しまくっておりそんな背景事情について解説する時間は全くなかったので、憲法学教授の木村草太氏の人権に関するわかりやすい解説「憲法は国家の失敗リスト」に引き続き、特段の前置きなく「先日、RHYMESTERというヒップホップグループの宇多丸さんもこんなメッセージを~」と早口でぶっこんだので、予想どおり、受講者の半数以上の顔には「は…?ヒップ?うたまる?桂歌丸?笑点??」と書いてありました笑
TBSラジオリスナーや日本ヒップホップリスナーの人口比ってどれくらいなんですかね?
(浜松での研修の様子。撮影by司法修習生)
(ちょっと情報は古いですが名著です)

